2004年10月の定期湖水観測結果より
 
 
  10月9日の台風22号通過後、5日目での観測となった。この台風で霞ヶ浦流域では約 300mm弱の降水量
 となり、最高水位は約 Y.P.+2.25mを記録し、戦後4番目の増水となった。10月14日の観測当日は、約Y.
 P.+1.7mまで低下した。
  当日は風速7m前後の北東風が吹き、やや時化た状況での観測となった。湖水の色は観測地点ごとに大
 きく異なり、河川水の影響やプランクトン発生状況の違いを反映していると思われる。湖面では、カモ類
 とユリカモメの群が帰って来ていた。また渡り途中のショウドウツバメが多数観察された。
  水質分析では、COD が各地点ともかなり低かった。これは降雨量が多く河川が増水したため、植物プラ
 ンクトンをほとんど含まない河川水によって湖水が希釈または置換されたためと考えられる。実際、植物
 プランクトンは各地点で少なかった。
  特に江戸崎入り、高浜入で、電気伝導度、塩化物イオン濃度が低下したことも河川水の影響をうかがわ
 せる。
  大雨による湖水の増水は、COD を低下させる一方、全窒素濃度を増加させるようである。高い濃度の窒
 素は水温が上昇する来春以降、植物プランクトンの発生につながると考えられる。
 
 
霞ヶ浦水質調査研究会