2005年2月10日の観測結果から
 
  
  気温がやや上がって春霞がかかり、穏やかな天候での出港となった。沖合から沿岸が見えないほどの霞
 みで、霞ヶ浦の名前の由来を実感させる。漁船とはほとんど出会わなかったが、底泥浚渫船は霞ヶ浦町有
 河沖合付近で作業中だった。 
  各地点で、強い白濁はなく、緑がかった水色で植物プランクトンの増殖を示していた。化学分析結果で
 は、高浜入りで硝酸態窒素濃度が高かった。昨年同期に比べ、植物プランクトンがどの地点でも約3倍多
 かった。これは、昨年にように白濁が強くなく、しかも昨年秋の台風時の増水でかなりの湖水が入れ替わ
 り、河川が栄養塩類を流入させたこと、透明度が昨秋から良くなり、光が湖水に入射したことが、そろっ
 て植物プランクトン増殖に良い条件を提供したようだ。2月の時点で優占しているのは、キクロテラ(ヒ
 メマルケイソウ)類であるが、シネドラ(ハリケイソウ)類やメロシラ類も、今後水温上昇につれて増え
 ると予想される。昨年同期はイサザアミの発生があったが、今回はなく、動物プランクトンの発生にも良
 かった。早春に砂地の浅瀬で孵化したワカサギ、シラウオの稚魚の餌になるワムシ類が増えれば、さらに
 良い状況になると思われる。
 
 
霞ヶ浦水質調査研究会