2006年2月(一部3月)湖水観測結果から
 
 
  例年にない低温が2月に入っても続き、9日の観測日は冬型の気圧配置となった。土浦港出港時は、弱
 い風だったが、沖に達する頃には毎秒10mを超える強風になった。観測船は強い波浪に翻弄され、危険を
 感じたため、3箇所の定点(沖宿沖、牛渡沖、高浜入)での観測で打ち切らざるを得なかった。残りの3
 定点(江戸崎入、天王崎沖、三叉湖心)の観測は、2月中は悪天候が重なり叶わず、3月14日〜15日の長
 軸方向の観測に合わせて実施した。したがって、約1ヶ月観測日がずれたことになり、結果の解釈には注
 意を要する。
  各定点で、植物プランクトンのキクロテラ(ヒメマルケイソウ)類の優占が続いていた。キクロテラは
 丸い小型の珪藻類で、動物プランクトンの餌になりやすいと思われる。動物プランクトンではワムシ類は
 少ないが、ケンミジンコ類とそのノープリウス幼生は湖心以外で多かった。今年の春は、今のところキク
 ロテラが優占するブルームが発生しているが、今後シネドラ(ハリケイソウ)類やメロシラ(タルケイソ
 ウ)類が増殖するか注目される。
 
 
 
 
定期調査日は時化で撮影不可能。欠測補充(長軸)調査時に撮影。左:3/14横利根閘門通行時、右:翌日の北浦のやよい丸
 
霞ヶ浦水質調査研究会