2006年11月16の湖水観測結果から |
11月16日の観測は、穏やかな天候に恵まれた。漁船も数隻出漁していた。透明度は1mを超える地点はな かった。弱い白濁は土浦入りでのみ観察された。11月に入ってからは強風や大雨がなく、底泥の再懸濁( 巻き上げ)もないことから、透明度が上昇してもよいはずであるが、湖水が緑っぽく、植物プランクトン がかなり発生していることが船上からも見てとれた。 実際、プランクトン分析では、ハリケイソウ類、ヒメマルケイソウ類、メロシラ類、さらに糸状藍藻類 が増えていた。これは、再懸濁がなく10月の二度の増水もあって、一時的に透明度が良くなったために太 陽光が湖水によく入射したこと、水温が低下して捕食者である動物プランクトンの活動がにぶってきたこ とが相まって、植物プランクトンが増殖したことを伺わせる。植物プランクトンが増えると再度透明度が 低下するから、湖の生態系は複雑である。とまれ、昨年同期に比較すると植物プランクトンの秋のブルー ム(増殖)が健全に起きていることになり、リン酸態リンや各無機態窒素濃度も対照的に低めであること から、この冬から春のかけての水質やプランクトン相が注目される。 |
左:午前中の稲敷市浮島。行方市麻生沖より。 右:帰路、夕方の浮島。麻生桟橋付近より。 |
霞ヶ浦水質調査研究会 |