2010年2月18日の湖水観測結果から |
1月、2月は寒い日が続き、観測日には前夜からの雪は止んだが、数cmの積雪となった。調査船から見 る沿岸の家々の屋根が白く、東北地方か北海道の海辺のような光景となった。禁漁期間に入っているため 漁船の姿もない。気温、水温は真冬なみに低かった。透明度は1m弱で比較的良い。植物プランクトンは1 月より増加し、春の兆しが始まっていた。なかでも珪藻類と糸状藍藻類のオシラトリアが多かった。一方 動物プランクトンは夏季に比較すると少ない。水質では植物プランクトンの増殖を反映して、COD値が上昇 してきたが、無機態の窒素やリン濃度は低めだった。これまで蓄積された観測結果にも出ているように、 少なくとも春季における溶存態の窒素やリン濃度は、植物プランクトン量と逆相関の関係があることがわ かる結果だった。 今後、発達した低気圧の通過が無く、強い波浪発生による底泥の再懸濁と透明度降下が起きなければ、 3月、4月には、さらに植物プランクトンのブルーム(大量増殖)が予想される。それは2009年同様、5 月以後の動物プランクトンの増殖、それを餌にするワカサギやシラウオの好漁につながることが期待され る。 本観測は民間の「霞ヶ浦水質調査研究会」による調査です。観測は船代、試薬キット代など費用がかか ります。ぜひ会員(年会費 5000円、メール:pcom @ sea.plala.or.jp)になって本観測をサポートして ください。会員は年に1回以上、体験乗船できます。 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びか けるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。 |
歩崎沖通航風景。望遠撮影。 柏崎沖。白い雪丘は富士見塚古墳。画像は全て2010.2.18沼澤研究員撮影 |
霞ヶ浦水質調査研究会 |