2010年12月16日の湖水観測結果から
 
 
  前回10月の観測に続いて小雨の観測になった。出航時はほとんど風が無かったが、帰路はやや風が出て
 波浪があった。漁船やレジャー船は出ていないが、高浜入の柏崎沖では、底泥浚渫の準備のために赤色の
 送泥管の敷設工事が行われていた。
  定点では透明度が良く、特に三又湖心では 150cmだった。白濁収束後は12月が最も透明度が良く、今回
 はさらに雨水が湖水表層上に載っているため、かなり良好な透明度だった。我々の観測ではバケツによる
 表層採水であり、懸濁物、電気伝導度ともに低いのは10月同様、降雨の影響があると思われる。COD、無機
 態窒素、リン酸態リンも低めだった。
  12月の日長時間が10時間程度で、年間で最も短く同時に水温が低いため、世代交代時間が短い植物プラ
 ンクトンの増殖(第一次生産)が抑制され、個体数、群体数も一年では最も少ないのが通例である。それ
 が透明度の高さに反映されている。今後、春にかけて日長が長くなると珪藻類のブルームが始まり、透明
 度が低下し、COD値が上がるようになる。
  今回の観測結果のもう一つの特徴は、動物プランクトンのうち、ゾウミジンコ類やワムシ類が多かった
 こと。テマリワムシ、ツボワムシ、フクロワムシ、ハネウデワムシ及びゾウミジンコ類が12月に多いこと
 は、11月、12月に好天気が続き、湖水の水温が高めだったことの反映かもしれないが、ワカサギにとって
 は摂餌量が多いために、翌年の繁殖につながることが予想される。

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  この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義
 が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募
 っています。

  連絡先TEL:029-835-2252 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
  また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びか
 けるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
 


 
  
 
採水サンプル。低温で持ち帰り。左 : 採取プランクトンとプランクトンネット。右

当日の透明度測定。三又心付近。
 
霞ヶ浦水質調査研究会