2011年8月17−18日湖水観測結果について(逆水門方向観測結果を含む)
 

  2011年の夏は、13年ぶりのアオコ大発生となった。夏期の卓越風である南東風(辰巳の風)の風下にあ
 たる土浦港、高浜入、北浦北部は吹き寄せられたアオコが腐敗し、悪臭を発生し、近隣住民から行政に対
 して苦情が寄せられた。国土交通省や土浦市では、水面清掃(アオコ回収)船やバキュームカーを出動さ
 せた。
  我々の観測では、定点である沖合で水質やプランクトン発生はどうか、逆水門前後の定点ではどのよう
 な状況かを把握することが主な目的となった。西浦の定点6箇所では、定点ごとに大きく結果が異なった。
 沖宿沖、高浜入ではアオコ(ミクロキスティス)が多く、透明度が低く、CODが高かった。沖宿沖は白濁し
 ていた。しかし天王崎や三又湖心では透明度が良好で、植物プランクトンは多くなく、CODは低めだった。
 6月に大発生したゾウミジンコは減少し、替わって天王崎沖や高浜入では、オナガミジンコがやや多かっ
 た。
  逆水門下と波崎河口では、表層水の塩化物イオン濃度が 2700から 3000mg/l程度であった。逆水門は閉
 鎖されていたものの、利根河口堰は、左右岸側の二門が開放された時間帯での観測となり、利根川の河川
 水が塩水の一部を押し出していたと考えられる。しかし、下層での観測ではないことに留意する必要があ
 る。今夏、霞ヶ浦側では、震災で堤防が破損したことに対応して、国土交通省霞ヶ浦河川事務所が水位を
 Y.P.1.0m付近まで下げる操作(平年より約10cm低下)を続けており、塩化物イオン濃度はじめ水質やプラ
 ンクトン相への影響を把握するために、今回の我々の観測は貴重なデータとなった。なお、江戸崎入と北
 浦心では、動物プランクトン計数が欠測となったが、これはプランクトンネット流出のためである。

 ■ 2011年8月の逆水門方向観測は、いばらきコープ環境基金様の助成をいただいて実施しました。
   ありがとうございました」


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  この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義
 が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募
 っています。

  連絡先TEL:029-835-2252 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
  また(株)ラクスマリーナ様では『調査船はいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びか
 けるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
 
 
 

潮来港で休憩
 
調査中の風景。西浦沖合の透明度は高かった。北浦南心。 萩原閘門。突起デッキあり危険。以前側窓破損した船がいた。
 
新しくなった銚子大橋。 利根川閘門通航。
 
小見川閘門通航中。  息栖神社前被災堤。

強い引きの流れ。利根本川。閘門脇を解放するとは船舶通行について全く配慮していない事が分かる。
陸人の考えは非常に危険である。船舶通用構造物にも突起等あり、被害は計り知れない。
 
霞ヶ浦水質調査研究会