4月中旬に予定していた定期観測は天候不順で延期続きだったが、5月10日、ようやく実施できた。その間4月下旬に、臨時に調査船を出す機会があり、湖心で4mを超える透明度が観測された。この異常なほど高い透明度は1988年以来24年ぶりだったが、大型のカブトミジンコを主体とする動物プランクトンの大発生によって植物プランクトンが食べつくされた結果によるものであることがわかった。
5月10日の観測時には、数日前の爆弾低気圧の通過(つくば市北条で竜巻による甚大な被害)による風雨で泥水が河川を通じて流入したことや強い波浪による底泥の巻上げの影響で、透明度は各地点で1mをやや超える程度に低下していた。しかしミジンコ類が非常に多く、植物プランクトン(珪藻類、緑藻類)が極端に少ない状況は続いていた。それによって
COD値は4〜5台と良好だった。無機態窒素はやや高く、特にアンモニア態窒素の数値が高かったが、動物プランクトン大発生によって、その排泄物の影響が現れた可能性がある。
今後、夏に向けて水温が上がり、良好な透明度によって太陽光が湖水によく入射すれば、昨年なみのアオコ(藍藻類)の発生があるかもしれない。 |