2012年8月8日〜9日湖水観測結果について(長軸方向を含む)
 
 
今夏も昨年に続き、土浦港などではアオコ大発生となった。水面が緑一色の土浦港を出航すると、沖合ではアオコは目立たない。霞ヶ浦周囲の台地上には、複数の積乱雲が発生し、真夏らしい景色であった。
透明度は各地点で差があるが、西浦・北浦ではおおむね60〜90cm前後だった。今回は夏季の長軸(逆水門)方向の観測も合わせて実施した。逆水門の上流地点で、塩化物イオン濃度が約 800mg/lと昨年までの観測値よりもかなり高かった。さらに上流の息栖真崎地点でもやや高かった。この現象は今までなかったことで、原因としては、霞ヶ浦側の水位が、流域の少雨のため約1月以上にわたりY.P+0.9mと低く、逆水門の間隙から、または底質や周辺土質の砂地を通して塩分濃度の高い水が漏出・遡上しやすくなった可能性が考えられる。また東日本大震災にともなう地盤沈下(千葉県の発表では 5〜10cm)により、さらに塩水が遡上しやすくなっているのかもしれない。
COD 値は、各地点で5〜7mg/l程度で、特に高くなかった。風下にアオコが吹き寄せられた場所では、COD値が異常に高くなっていると思われる。動物プランクトン類は、ワカサギ(今年も好漁)による捕食圧のためか、8月は多くなかった。植物プランクトンでは、糸状藍藻類のフォルミディウム(プランクトスリックス)がやや多かった。
 
 
 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びかけるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
 
 
  

真夏の横利根閘門。2012.8.8 沼澤会長撮影。

左:霞ヶ浦大橋を抜けて三又沖へ。2012.8.8 沼澤会長撮影。右逆水門上での調査風景 2012.8.9 沼澤会長撮影。

左:逆水門下での調査風景。右:逆水門下 2012.8.9 沼澤会長撮影。

左:逆水門の常陸川大閘門通船中。右:新銚子大橋 2012.8.9 沼澤会長撮影。

沖は大時化。銚子港内風景 2012.8.8 沼澤会長撮影。
 
霞ヶ浦水質調査研究会