一雨ごとに気温が低下していく時期の観測となった。前夜来の雨が上がり、曇りから晴れて、風も弱く、上々の天気となったが、調査船「がいあU世号」のスピードが出るとデッキではかなり寒い。しかし船室に入れば快適だ。
各定点では水温は20度前後、透明度は1m程度で例年なみ。電気伝導度や塩化物イオン濃度も、西浦では特に異常はない。各無機態チッソやリン酸態リン濃度も、この時期の例年通りだった。COD
は3〜4mg/l程度で、数字だけ見ると低いが、秋から冬にかけては植物プランクトンが激減することを反映している。また前夜来の雨が水面近くの湖水を薄める(波浪な弱い場合)こともあり、COD
が低くなるようだ。我々の観測では、採水は水面からバケツで行なっている。なお公定法では、採水器により水面下30cmで採水する。
植物プランクトンは、藍藻類、軽藻類、緑藻類ともに少なかったが、この時期としては例年通りであった。早春には珪藻類が増殖し始めると予想される。動物プランクトンでは、夏に多いオナガミジンコがほとんど見られず、ややゾウミジンコが多かった。ワムシ類は水域によって発生数に差があった。
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