運よく梅雨の晴れ間の観測となった。直前の2週間、かなりの雨量があり、河川から流入した泥水の影響が懸念されたが、沖合の各定点では透明度が80〜90cm程度だった。しかし、高浜入り(桃浦沖)ではレベル4程度のアオコが全面に発生しており、透明度は30cmだった。電気伝導度、塩化物イオン濃度は雨が多い時期を反映して、やや低めだった。COD
値は高浜入で高かった。無機態窒素では、アンモニア態窒素が沖宿沖で、硝酸態窒素が高浜入でやや高かった。高浜入ではリン酸態リンもやや高かった。
動物プランクトンは、4月に多かったワムシ類が姿を消し、替わってオナガミジンコが増えてきた。ケンミジンコとその幼生であるノープリウスもやや多かった。ゾウミジンコは全く発生していなかった。大型のカブトミジンコ(ダフニア)は少なく、植物プランクトンを摂食して透明度を上げるほどではなかった。牛渡沖でイサザアミが数年ぶりに発生していたことは特筆される。
植物プランクトンでは、牛渡沖で珪藻類のキクロテラ(ヒメマルケイソウ)、藍藻類のアファノカプサ類が多かった。高浜入では浮上性のミクロキスティスは多いが、他の藍藻類は特に多くない。今年は6月の時点で、高浜入全面でミクロキスティス(アオコの主体)の発生が見られたが、これから盛夏に向けて、アオコがどのように推移するのか注目される。
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