4月の定期湖水観測を9日に予定していたが、低気圧通過にともなう雨で、11日に延期して実施した。桜川河口から港町沿岸にかけて、盛りを過ぎた桜並木を水上から鑑賞してから、観測に向かった。天候はうす曇から晴れに変わったが、午後3時過ぎには北風の突風が吹き、白波が立つ中で、観測船はかなりピッチング(縦揺れ)しながら、湖心の西側を通過し、出島半島の台地を風よけにして、ようやく帰港した。このため、帰路に寄る予定だった江戸崎入りの観測は欠測となった。透明度は2月末の観測時よりも低下し、60〜90cmだった。これは春季の植物プランクトンのブルーム(増殖)を反映していた。水の色は緑がかっていた。したがって2月の観測時よりも、COD 値が上昇していた。特に高浜入りではケイソウ類が多く、COD 値が高かった。動物プランクトンでは、2月に続いてケンミジンコとノープリウス幼生が多かった。ワムシ類はほとんどいなかった。今後、水温上昇が続けば、カブトミジンコ、ゾウミジンコ類が増えることが予想され、植物プランクトンが捕食され、晩春から初夏にかけて、透明度が上昇する可能性がある。初夏の透明度上昇は真夏のアオコ増殖につながりやすいので、注目したい。2月に続き、4月の無機態の窒素、リンの濃度は高くなかった。
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