今年度は本田記念財団の助成を受け、通常の隔月(偶数月)観測に加えて、春〜夏の水質やプランクトンの変化を丁寧に把握するため、8月まで毎月観測を実施する予定。5月は9日に出航した。天気はうす曇でやや波が高かった。透明度は前月同様各定点で70〜90cm程度だった。水温は18〜19℃で平年並みだった。水色は淡緑、草色などで植物プランクトンの増殖を窺わせた。COD 値は6〜7mg/L前後だった。無機態の窒素、リンも前月同様、特に高くない。
植物プランクトンでは例年どおりハリケイソウ類、タルケイソウ類、ヒメマルケイソウ類が多く、優占していた。動物プランクトンでは、ケンミジンコ類とその幼生であるノープリウスが非常に多く、優占しており、他のミジンコやワムシ類は皆無に近かった。植物プランクトン食であるカブトミジンコやゾウミジンコ増殖の兆しは、少なくとも5月の時点では感じられず、近々の透明度アップは期待できない。ケンミジンコ類は肉食性であり、小型ミジンコ類やワムシ類を捕食するようだ。例えば、アフリカのサバンナでライオンやチータなどの肉食動物が増え過ぎて、シマウマ、ガゼル、ヌーなどの草食動物がほとんどいなくなった状況に似ている。霞ヶ浦湖水における今後のプランクトン相の変化とワカサギやシラウオ漁への影響に注目していきたい。 |