気象庁が関東地方の梅雨入り宣言をした6月6日の出航となった。曇り空だが雨が降らなかった。やや波が高かったが、白浪が立つほどではなかった。
湖水の色は草色で、透明度は5月と同程度だったが、江戸崎入りと高浜入りで60cmとやや低かった。これは後述のように植物プランクトンの増殖によるものである。塩化物イオン濃度は5月よりわずかだが高かった。
COD 値は植物プランクトンの多さを反映してやや高かった。特に高浜入では、8.6 mg/Lと高かった。無機態窒素は特に高くなかったが、リン酸態リンが5月に比べて高くなった。
動物プランクトンでは、2月、4月、5月に比べて、ケンミジンコとその幼生であるノープリウスが激減していた。一方、久しぶりにイサザアミが発生しており、ケンミジンコがイサザアミに捕食されている可能性がある。また成長しつつあるワカサギ稚魚にケンミジンコが捕食された可能性もあるが、今年のワカサギ資源量が気になる。植物プランクトンを捕食するカブトミジンコ、オナガミジンコ、ゾウミジンコが全く出現していない。例年6月には夏のミジンコであるオナガミジンコが出現し始めるのだが、今年はまだ見られない。
植物プランクトンは、珪藻類が非常に多かった。例年の2〜4月の春のブルーム時の様相を呈していた。加えて緑藻類も比較的多かった。これは、植物プランクトンを捕食するワムシ類、ミジンコ類が皆無状態であるためと考えられる。ケンミジンコが減り、今後、盛夏に向かって水温上昇にともない、オナガミジンコが出現すると思われるが、植物プランクトン、透明度、COD 値にどのように影響するか注目したい。現在までのところ今夏にアオコが大発生する要因や兆候は見られない。
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