梅雨たけなわの天候の中、出航した。うす曇りだが紫外線が気になる。土浦港ではアオコの兆候はない。午前中は凪いでいたが、夕方帰港時にはやや波が高くなり、土浦港に到着する直前、遠雷の稲妻が見えたが、雷雨に遭わずに帰港した。
水温は、夕刻の観測となった江戸崎入り以外では27〜28度だった。透明度は先月より上がり、高浜入り以外で1m前後だった。これは先月より植物プランクトンが減少したためである。無機態窒素、リン酸態リン濃度は、高浜入りでやや高かった。
プランクトン相は、定点ごとに大きな差があった。土浦入りの沖宿沖、牛渡沖で、珪藻類などの植物プランクトンがやや多く、動物プランクトンが少なかった。江戸崎入、天王崎沖、高浜入で、触覚が長いヒゲナガケンミジンコとその幼生であるノープリウスが非常に多かった。ケンミジンコ類の大部分がヒゲナガケンミジンコだった。例年夏期に発生するオナガミジンコは全地点で発生していたが、特に高浜入りで多かった。ワムシ類は全く見られなかった。藍藻類のうち、糸状藍藻類(プランクトスリックス類:オシラトリア、フォルミディウムなど)は、ごく少なかった。
先月に比べ、植物プランクトン類が減少したため、COD値は特に高くない。天王崎沖などでイサザアミが発生していた。その捕食圧にもかかわらず、夏期にはオナガミジンコが発生してくるので、ワカサギの餌が供給され、ワカサギの成長にとって良い兆候と言える。またヒゲナガケンミジンコは、その異状に長い触覚ゆえに、イサザアミに捕食されにくいのかもしれない。やや透明度が良いが、2011年夏期のように、アオコ大発生の要因になるほどではないようだ。
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