2017年 7月31日〜 8月 1日 湖水観測結果について
夏に実施している逆水門方向観測を兼ねて1泊2日の観測調査となった。1日目の天候は晴れで日差しが強かった。西浦では、出航地の土浦港をはじめアオコは発生していないが、透明度は 100cm以下であった。ところが牛堀から閘門をくぐって横利根川の静水を運航すると急に水色が鮮やかな緑色となりアオコが発生していた。うっすらとスカム状やスジ状になっているところがあり、見た目アオコ度は2くらい(5段階評価)、緑色のソーメン状のもの(アオコを食べたハクレンのフン? あまり長くはない)も浮いていた。利根川の佐原港沖、逆水門直下流、銚子港沖(波崎港沖)ではアオコは観察されないが、逆水門直上流、息栖真崎、外浪逆浦、北浦心(北浦大橋南)、潮来港沖、潮来前川、横利根川ではアオコがかなり発生して緑色だった。このように、この日の観測では、西浦ではアオコは発生していないが、霞ヶ浦水系下流でアオコが発生していた。それは、アオコが発生している水域のCOD値が高いことで裏づけられた。霞ヶ浦の下流部で多くアオコが発生していたことは珍しいことだった。銚子河口では外海から高いうねりが進入していた。
動物プランクトンは、オナガミジンコ、ケンミジンコ類が多く発生していた。ワムシ類は少なかった。植物プランクトンは、珪藻類のメロシラ、群体性藍藻類のミクロキスティス、糸状藍藻類のプランクトスリックスが多かった。無機態窒素、リン酸態リンは、アオコが発生している地点でやや高め傾向だったが、意外に低い地点もあった。水温は28℃台だった。
2日目に雷雨が予想されたため、できるだけ1日目で多くの定点をまわることにしたところ、偶然にも各閘門の開閉が調査船の通行に都合良く行なわれ、全14地点のうち、1日目だけで13地点で効率的に観測できた。2日目は曇天で午前中に雨が降り出し、大急ぎで最後の高浜入りの観測を終了させ、土浦港に昼頃に帰港できた。雨が本降りになる直前だった。
北浦北部のアオコ発生状況が気になり、8月7日に車でまわってみた。武田川河口、山田川河口で、水が緑色で、見た目アオコ度1程度だった。アオコ臭がかなり漂っていた。
 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びかけるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
出航後 下画像の先、横利根閘門閘室通船中
北利根合流付近の新横利根閘門。北利根川、横利根運河、潮来前川でアオコ大量発生
銚子大橋と銚子市街 銚子港内
銚子吐き出し付近
常陸川閘門通船 常陸川水門上
息栖神社一の鳥居 鹿島神宮一の鳥居。水上鳥居で日本最大。
霞ヶ浦水質調査研究会