2018年 8月20日〜 8月21日 湖水観測結果について
 台風が相次ぐ中、その合間を縫って、一泊二日の逆水門方向の観測を実施した。猛暑の今夏、アオコ発生が懸念されたが、西浦の6定点では水面にアオコは観測されなかった。北浦湖心(北浦大橋南)でも水面のアオコは見られなかったが、水の色は緑で、プランクトンネットには、アオコ(ミクロキスティス・エルギノーサ)が入った。この地点のCOD 値は12台だった。横利根川、逆水門上流でも水色が緑だった。
 今回の観測では多くの地点でオナガミジンコ、ケンミジンコ、ゾウミジンコが多数観測された。7月には皆無だったワムシ類(ツボワムシ、フクロワムシなど)が、多数発生している地点が複数あった。少数ながらカブトミジンコが発生している地点もあった。5〜7月に発生していたイサザアミは姿を消していた。植物プランクトンは、アオコが発生している地点以外は少なかった。
 今回のプランクトン相を総合的に見ると、植食性の動物プランクトンが各地点でとても多く、それらの地点では CODは高くなかった。イサザアミが消えたので、ミジンコ類、ワムシ類が増え、珪藻類、緑藻類の植物プランクトンを食べたようだ。しかし、アオコを構成する藍藻類はミジンコなどの餌になりにくい。ワカサギは、これらの動物プランクトンを好餌とするが、7月21日のワカサギトロール漁解禁日に、昨年を上回る豊漁となったと新聞で報じられた。土浦市内のスーパーの魚売場では新鮮なワカサギが「てんぷらにどうぞ」と売られている。このようにワカサギの現存量がプランクトン分析で推定された。
 今回の水質分析、プランクトン分析の結果では、逆水門の上流、下流では、塩化物イオン濃度、プランクトン相が大きく異なり、逆水門が淡水環境と汽水環境を大きく分けていることが改めて確認された。
 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びかけるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
玉造桟橋着船 横利根運河通航中
利根川河口堰 利根川大閘門通船中
銚子港内
銚子河口付近で調査 常陸川水門下
沖合から浮島和田岬を望む
麻生港着船。都合により個別漁船の専用バースを貸して頂けた。
霞ヶ浦水質調査研究会