朝から無風で、12月としては異常なほど暖かい空気の中、鏡のような湖面に出港した。湖面は水蒸気が、「モヤ」となって覆い、筑波山はもちろん、湖岸の斜面林さえ、よく見えない。越冬中のカモ類が観測船の接近で次々に飛び立つ。水温はこの時期としては高い13〜15℃。透明度は各地点でほぼ1mだったが、三又湖心で1.4m、高浜入で1.3mを記録した。動物プランクトンのワムシ類が優占し、植物プランクトンを捕食していることに加えて、もともと12月は最も日照時間が短く、水温も低いため、植物プランクトンの増殖が抑えられている。顕微鏡による分析でも、植物プランクトンは少なかった。水温が高いためか、ワムシ類が増殖しているようだ。平年ではワムシ類は12月〜1月に少なく、早春2月頃に増殖し始める。またゾウミジンンコは例年の冬には皆無だが、今回の観測ではかなりカウントされた。これら動物プランクトン相が今冬の暖冬傾向を反映しているようだ。水質分析では、リン酸態リン、無機態各窒素ともに低い濃度だった。COD
値も低かった。午後は風が出て、モヤを吹き払い、波浪がやや高くなった。冬至が近く、日長が短く、日没頃には土浦に帰港した。 |