2019年 2月 5日〜 2月 6日 湖水観測結果について
 2月3日に気温が上昇し、春一番が吹いた。4日は立春だった。私たちの「逆水門方向観測」は5日〜6日の一泊二日の日程で行った。5日は曇り空で底冷えがした。6日は朝から雨で、雨中の観測となった。両日とも数百羽、数千羽の水鳥の群れが、各地の水面で観察された。カモ類、ウ類、カモメ類の群れが北帰行に備えて集結しているようだった。
 観測は予定どおり、通常の西浦6地点に加えて北浦、外浪逆浦、常陸利根川、逆水門、横利根川を通過して佐原沖などの8地点をふくむ14地点で実施した。水温は摂氏5〜7度程度。各地点の透明度は1m前後で、水色は12月に比べて少し緑が濃くなった印象だった。
 植物プランクトン相は、西浦で春のブルーム(増殖)の兆しがあったが、北浦では珪藻類のブルームが始まっていた。銚子河口では海産植物プランクトンが観察された。
動物プランクトン相は、西浦ではワムシ類が優占し、ケンミジンコはほとんど観察されなかったが、北浦ではワムシ類が少なく、かなりケンミジンコの発生が見られた。逆水門、下の定点ではゴカイ類の幼生が多数観察された。
この季節、湖水の各無機態窒素、リン酸態リン濃度は高くないが、佐原沖の利根川では、硝酸態窒素濃度がやや高かった。COD濃度は、西浦では5mg/L台だったが、北浦、外浪逆浦では7mg/L台だった。塩化物イオン濃度は、西浦では低値だったが、北浦心、潮来、外浪逆浦、息栖真崎、逆水門上の地点でやや高かった。この冬から春にかけてほとんど降水がなく、水位が下がりがちで、逆水門のわずかな間隙から塩分濃度が高い水の遡上があったようだ。
 帰路、土浦港に近づく頃には雲と靄が薄れて、土浦市街地が影絵のように浮かび上がり、高校ヨット部の練習風景と重なり、幻想的な光景となった。
 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びかけるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
調査風景 息栖神社壱之鳥居。船溜奥忍潮井に建つ
常陸川水門通船要求 利根川河口堰と常陸川水門
銚子市飯沼観音五重塔 横利根閘門通船
キャビン内 神宮橋下通航
利根川河口堰 利根川大閘門通船中
霞む土浦の超高層ビルと高層ビル群
霞ヶ浦水質調査研究会