2019年 4月 8日湖水観測結果について
 湖上からの桜景観を期待して、平年並みの8日に観測日を予定したところ、丁度満開時期に叶った。桜川河口をゆっくり回航し、堤防上の桜並木を眺めた後、最初の観測地点の沖宿沖に向かった。午前中は風と波がやや強く、観測船がかなり翻弄されたが、経験豊かな参加者揃いだったのが幸いだった。波浪は昼頃には弱まり、休憩に上陸した行方市の霞ヶ浦ふれあいランドでは桜が満開だった。曇天ながら、歩崎の斜面の桜や落葉樹の芽吹きの柔らかい薄緑が美しかった。帰路の夕刻には再度波浪が高い天候となり、江戸崎入の定点は欠測となった。
 透明度は各地点で1mをやや超え、この時期としては良好だったが、水温はやや低かった。動物プランクトン相は、ツボワムシ類が優占し、この時期に稚魚が成長するワカサギ、シラウオの好餌になっているとみられる。今回の観測では、ミジンコ類、ケンミジンコ類は西浦ではまだ少なかったが、2月の常陸川水門方向観測では北浦湖心で、ケンミジンコがすでに発生していたことを想起すると、対照的である。しかし、私たちの4月の観測は西浦6定点のみなので、それ以上は不明。今回のカウントでは植物プランクトンが少なかった。これはワムシ類の捕食圧が大きいためと思われる。顕微鏡観察では、ワムシ類の胃に、食べた植物プランクトンが詰まっていた。陸上生態系に例えると、牧場の牛や羊の過放牧で、牧草が激減した状況に似ている。COD 値は6台後半で、波浪による底泥の巻き上げ(再懸濁)が起きていたことを反映しているようだ。実際、顕微鏡では、植物プランクトンは少ないが、微細な泥や有機物粒子が観察された。
 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びかけるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
曇りの崎浜沖 霞ヶ浦大橋下
高浜入奥に見える筑波山 調査風景
玉造浜付近の桜。冷涼で未だ満開に達していない感じであった
霞ヶ浦水質調査研究会