2019年 7月 8日湖水観測結果について
 今年の関東地方の梅雨入りは平年並みの6月中旬。それ以来、西日本のような豪雨はないが、連日曇りがちで、雨も少雨ながら断続的に降っている。日照不足の影響で野菜が値上がりしている。北東風(やませ)が吹き気温も低い。このような気象が霞ヶ浦湖水にどのように影響しているかが観測のポイントになる。
 土浦港のラクスマリーナを出航後からほぼ一日風が強く、白波が立ち、帰路は行方台地、出島台地に沿って、なるべく風を避けて航行したが、調査船はかなり揺れた。江戸崎入の定点はやむを得ず欠測とした。
 2〜3日続く風と波浪の影響で底泥が巻き上げられ、透明度は50センチ程度だった。土浦入や高浜入だけでなく、天王崎や湖心でも同様の透明度だった。プランクトンネットにも底泥由来の微粒子がかなり入り、顕微鏡でも確認できた。
 水質では、無機態の窒素とリンがやや高かった。底泥巻き上げの影響と考えられる。しかし、CODは前月と同程度だった。植物プランクトンの珪藻類、藍藻類、緑藻類の構成や数量は6月によく似ていた。動物プランクトン相は、ワムシ類は前月に続き皆無だが、ケンミジンコとその幼生であるケンミジンコ類が多くなってきた。夏のプランクトンであるオナガミジンコも出現してきた。
 これらを総合すると、低水温と日照不足の影響はまだ明瞭ではないが、この気象が8月まで継続すれば、水質やプランクトン相に反映されるかもしれない。
 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びかけるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
現地検査機器の一部。非接触温度計は為我井さんからいただきました
掛馬沖水質水位観測所 三又沖
麻生港入口
浮島、前方後円型原古墳 常陸野の30m弱の台地
航行中遠くに見える牛久大仏
霞ヶ浦水質調査研究会