今年の関東地方の梅雨入りは平年並みの6月中旬。それ以来、西日本のような豪雨はないが、連日曇りがちで、雨も少雨ながら断続的に降っている。日照不足の影響で野菜が値上がりしている。北東風(やませ)が吹き気温も低い。このような気象が霞ヶ浦湖水にどのように影響しているかが観測のポイントになる。
土浦港のラクスマリーナを出航後からほぼ一日風が強く、白波が立ち、帰路は行方台地、出島台地に沿って、なるべく風を避けて航行したが、調査船はかなり揺れた。江戸崎入の定点はやむを得ず欠測とした。
2〜3日続く風と波浪の影響で底泥が巻き上げられ、透明度は50センチ程度だった。土浦入や高浜入だけでなく、天王崎や湖心でも同様の透明度だった。プランクトンネットにも底泥由来の微粒子がかなり入り、顕微鏡でも確認できた。
水質では、無機態の窒素とリンがやや高かった。底泥巻き上げの影響と考えられる。しかし、CODは前月と同程度だった。植物プランクトンの珪藻類、藍藻類、緑藻類の構成や数量は6月によく似ていた。動物プランクトン相は、ワムシ類は前月に続き皆無だが、ケンミジンコとその幼生であるケンミジンコ類が多くなってきた。夏のプランクトンであるオナガミジンコも出現してきた。
これらを総合すると、低水温と日照不足の影響はまだ明瞭ではないが、この気象が8月まで継続すれば、水質やプランクトン相に反映されるかもしれない。
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