2019年12月12日の湖水観測結果について
2019年10月に関東(長野県を含む)から東北南部を通過した台風19号は、大量降雨をもたらし、各地河川で堤防が越水し、内水氾濫をもたらした。霞ヶ浦流域河川では、桜川と恋瀬川中流部で越水したが、かろうじて大きな水害に至らなかった。しかし、その後、11月に実施した我々の湖水観測では、濁水の影響か、顕著な白濁と透明度低下が観測され、植物・動物プランクトンともに少なく、生態系への影響が懸念された。
 12月12日に実施した今回の観測結果が注目された。白濁は三又湖心、天王崎沖などで観測され、透明度は70〜80cmと低かった。それでも前月より、やや回復した。特に高浜入では、透明度130cm、水色は草色だった。
 白濁が著しい地点では、動物・植物プランクトンが少なかった。もともと12月は水温が低く、日照時間が短いので、植物プランクトンが最も少ない時期だが、例年になく、それが顕著であった。COD 値が3〜4mg/Lだったことも、10月に大量に河川水が流入したことに加えて、有機物が少ないことを反映しているようだ。
 春に透明度が回復しないと、植物プランクトンの増殖が抑制され、動物プランクトン数、それを餌にするワカサギ仔魚へも大きく影響することが心配されるので、注視していきたい。かすみがうら市の漁師さん(ワカサギトロール漁)は、「土浦入の奥では2019年11月、12月は、ワカサギがほとんど獲れなかった」と話しており、白濁、透明度、プランクトン数とワカサギ生息数との関係性が示唆された。
 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びかけるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
土浦沖 行方市玉造のレインボータワー
調査風景
帰路の夕日
霞ヶ浦水質調査研究会