予定していた4月6日は、気象用語で寒冷渦と呼ばれる春期の移動性低気圧が日本列島を通過したため、季節外れの北西風(筑波おろし)が吹き、波浪が高いため、船長判断で当日朝に順延を決め、翌日の観測となった。
7日午前中はほぼ無風で、順調に各定点で観測を実施した。阿見町沖では、自衛隊のヘリが放水訓練中だった。午後、帰路に寄った江戸崎入の定点では、やや波浪が強かった。透明度は85cmから 100cm程度で、沖宿沖、牛渡沖、江戸崎入の定点では弱い白濁が見られた。水温は14℃前後だった。電気伝導度、塩化物イオン濃度、pHは異常なかった。COD値は春の植物プランクトン増殖を反映して、2月よりは高く、6mg/L前後だった。リン酸態リン、無機態窒素濃度は、2月よりも低下していた。植物プランクトンでは、この時期の例年同様、珪藻類のハリケイソウ類、タルケイソウ類が優占していた。動物プランクトンでは、ワムシ類が増殖し、植物プランクトンへの捕食圧が高いとみられる。ケンミジンコの発生はまだ少なかった。この時期にワムシ類が優占することは、ワカサギ仔魚の好餌となることから、食物連鎖が成立し、水産上好ましい。高浜入では、シカクミジンコが発生していた。
今春は桜の開花が早かったが、その後、低温の日があり、4月7日時点で、霞ヶ浦ふれあいランドの桜はかなり咲き残っていた。湖上の多くのカモ類は、カルガモなどを除き、北へ移動したとみられるが、ユリカモメは頭部の羽毛が黒化している個体が多くなった。土浦港に帰港後、湖上に、大きく赤いスーパームーンが登った。 |