2020年 8月3〜4日の調査結果について
8月1日に梅雨が明け、青空に真綿のような雲が浮かぶ天気のもとで出航した。弱風で日差しは強い。航行中は風があり快適。今回は夏期恒例の逆水門方向を含む14地点での観測。西浦の各定点の透明度は 100cm〜 120cm程度で前月より良好だった。北浦湖心(北浦大橋の南)の透明度は 130cmだった。COD値は西浦では5程度で低めだったが、北浦では8程度を示した。無機態窒素、リン濃度は高くなかった。7月の日照時間が短かかったため、植物プランクトンの増殖が抑制されたようだ。これは、夏野菜の不作で、スーパーでは5割増しの価格で販売されていることと符合する。今後、日照が回復すればアオコなどの植物プランクトンが増殖する可能性がある。
7月21日のワカサギ漁解禁日の漁獲量は、翌日の新聞記事によれば、近年比較的好漁だった昨年と比べ、3割程度ということだった。しかし個々のワカサギはよく成長しているようだ。北浦、外浪逆浦、逆水門上流側では、肉眼では水面のアオコは確認できないが、顕微鏡ではミクロキスティスの細胞群が少しカウントされた。動物プランクトンは、西浦でオナガミジンコ、北浦ではゾウミジンコが優占していた。両方とも食植性(植物プランクトンを食べる)であり、ワカサギの良い餌になる。
湖心から行方沖では、調査船の航行に驚いたボラの群れが盛んにジャンプしていた。また逆水門の閘門内ではハクレンのジャンプが見られた。銚子沖の太平洋では、海鳥が飛翔し、涼しい海風が吹いていた。横利根川では、ミズヒマワリ(外来植物)の白い花が咲いている傍で、パラソルを広げて釣りを楽しんでいる人が多かった。
 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びかけるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
調査風景 横利根航行中に見た修理中のそよかぜ1号
横利根閘門
横利根運河と本川合流点、水深計測 息栖大橋
常陸川水門の常陸川閘門
銚子港北
霞ヶ浦水質調査研究会