梅雨明け後の観測となった。土浦港を出航すると、背後に筑波山が霞んで見えた。調査船の速度が上がると涼しいが、観測で停船するとかなり暑い。水温は29℃前後。霞ヶ浦地方では今年の梅雨期間中、大雨、大風がなく、河川からの濁水流入や波浪による底泥巻き上げが少なかったことで、透明度は湖心で 130cmと良好だった。pHは、湖水中の植物プランクトンによる活発な光合成が反映され、各地点で10前後を示した。無機態の窒素、リン濃度は低めだった。COD 値は6月と同程度だった。
動物プランクトンは、6月とは様変わりし、オナガミジンコが優占する地点が多かった。そのうち、天王崎沖では、ノープリウス(ケンミジンコの幼生)が多かった。高浜入では、ワムシ類(ツボワムシ、フクロワムシ)が優占していた。植物プランクトンでは、6月と同じような状況で少なめだったが、高浜入でやや多かった。
午前中は波浪がなく、スムーズに観測を進めた。午後の帰路ではやや風が出た。浮島沖では、ボラのナブラ(魚の群れが水面近くに浮上すること)が観察された。
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