2021年12月23日湖水観測結果について
 12月に入り、北海道沖での低気圧発達が続き、霞ヶ浦でも波浪が強かった。この日、ようやく天候が安定し、ほぼ無風で鏡のような湖面に出航した。カモ類はじめ越冬中の水鳥が多かった。水温は7〜8℃台だが、透明度はこの時期としては低く、白濁が全地点で顕著だった。透明度は沖宿沖で35cm、湖心で55cmだった。例年この時期は、湖心で約1mの透明度が観測されている。この低い透明度は、KHV(コイヘルペスウイルス)感染で養殖鯉が全量処分された2003年秋以来である。この年はワカサギ漁獲量も史上最低の年間50トンを記録した。
 低い透明度に、最も日照時間が短く水温が低い時期が重なり、植物プランクトンは少なかった。動物プランクトンは、沖宿沖、牛渡沖でケンミジンコ類がやや多かったほかは、どの地点でも少なかった。COD値は、4〜5mg/Lで低く、白濁の原因は有機物由来ではなさそうだ。2003年頃の白濁の原因の一つは、炭酸カルシウムの微結晶(方解石)が湖水中に生成したことと、国立環境研究所の研究者が論文化したことがあった。今回の原因は何だろうか。無機態窒素やリン酸態リン濃度は特に高値ではなかった。
 もし、今後白濁が長期化すると、植物プランクトンの光合成を阻害し、それを餌とするワムシ類、ミジンコ類、さらにワカサギ、シラウオへの影響が大きくなることが懸念される。
 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びかけるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
12月13日、忘年会翌朝、北西強風で調査中止となったが富士山が綺麗に見えた。
北西強風で空気は澄んでいた都心のビル群、スカイツリーがはっきり見えた
出航直後 スクール中のホワイトアイリス脇を通過
大山馬掛の丘。恋人岬に似る 石岡市三村付近であろうか?爆発の様な煙
凪に浮かぶ筑波山 夕暮れの麻生沖から土浦、筑波山を望む
霞ヶ浦水質調査研究会