2022年 5月20日湖水観測結果について
 天候とスタッフの都合で、下旬の観測となった。4月に比べて白濁が消え、透明度が急上昇していた。調査船の航跡が白かった。透明度上昇は、太陽光が湖水に入射し植物プランクトンの光合成を促進するので、生態系にとって基本的には良いことだが、夏期のアオコ発生につながることがあるので、継続観測が必要だ。今回の透明度上昇の直接的原因は不明である。梅雨に入り豪雨が続くと河川から濁水が流入し、透明度が低下する可能性がある。
動物プランクトンの大型ミジンコ類が多く発生すると植物プランクトンが捕食され、透明度が上昇する。今回は動物プランクトン発生が少なく、ワムシ類は4月に続き、皆無だった。ワカサギ、シラウオの仔魚、稚魚の初期餌料が少ないことは、漁獲量への影響が懸念される。COD値は、高浜入り以外では、3〜4mg/Lを示し、無機態の窒素、リン濃度も低く、良好な水質といえる。 
 霞ヶ浦水系では、ハクレンが大量に繁殖するようになったので、ハクレンによるプランクトンの摂食が水質を良くしている可能性も考えられる。ただし2年前のように、霞ヶ浦のハクレンは夏から秋にかけて大量死することがある。
 今回の観測の途中、かすみがうら市有河沖でコイ網いけす養殖場を経営している桜井養魚場の桜井謙治さんの好意で、養殖場を見学させていただいた。参加者は大きなコイが餌を食べる様子を観察し、桜井さんから近年の湖水の状況などを聴かせていただいた。
 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
 メール:pcom @ sea.plala.or.jp
 また(株)ラクスマリーナ様では『調査船がいあU世』で水質調査と霞ヶ浦1周クルーズに参加を呼びかけるページを作ってくださいいました。コチラからご覧いただけます。
かすみがうら市牛渡根山、桜井養魚場さんの網イケス
桟橋上で桜井謙治さんのお話を聞く
浜沖 霞ヶ浦大橋
手賀沖を航行中 三又沖で調査風景
霞ヶ浦水質調査研究会