7月定期調査がやむをえない事情で欠測になったが、今年の7〜8月は猛暑日が多く、霞ヶ浦湖水への影響が懸念されたため、8月下旬に実施した。西浦6定点で、通常の項目について現場測定し、試水をラボに持ち帰り、化学分析とプランクトン分析を行った。
午前中は曇りで風が強く、白波が立つほどだった。午後はやや日差しが出たが、ほぼ一日中、毎秒10メートル近い北東風が吹き、調査船はかなり揺れた。現場での透明度測定では、土浦入、高浜入で約60cmと低かった。三又湖心や天王崎沖でも90cm程度だった、水色は白濁ないし茶濁のところもあり、おりからの強い北東風に伴う波浪によって、浅い土浦入や高浜入で底泥の巻き上げが生じたことが影響しているようだ。また、水温は27℃を超えていた。この日は猛暑日ではなかったが、土浦で35℃以上を記録した日では、表層水温は日中、33℃に達した可能性がある。一般に高水温は植物プランクトンの増殖を促すため、透明度は低下する。
植物プランクトン相では、10数年ぶりに糸状藍藻類がやや増えていた。アファノカプサ類は土浦入と高浜入で多かった。ミクロキスティス(アオコ)はカウントされず、水面でも見られなかったが、他の藍藻類がやや優占している印象だった。動物プランクトン相は、例年の夏同様、オナガミジンコ、ケンミジンコが優占し、ゾウミジンコも出現していた。ワムシ類は少なかった。COD値(有機物濃度の指標)は、高浜入で 6.8mg/Lを記録したが、他地点は5台だった。無機態の窒素は特に高くなかったが、リン濃度はやや高かった。電気伝導度がやや高く、波浪による底泥の巻き上げを反映しているようだ。 |