2025年7月23日調査結果について
 連日35℃超の猛暑の中での調査となった。水温は32℃を越えていた。7月21日のワカサギ・シラウオ漁解禁日の漁況を伝える新聞記事によると、小ぶりのシラウオは獲れたが、ワカサギはほぼ皆無だった。ワカサギによる捕食圧がないため、餌であるミジンコ類が大発生していた。夏に優占するオナガミジンコ、ケンミジンコが多かった。これらミジンコ類が餌になり、競合者のシラウオが独占的に成長すると思われる。一方、大発生中のミジンコ類は藍藻類のアオコ(ミクロキスティス)以外の植物プランクトンを食べ尽くしていることが、顕微鏡による計数で確認された。生態学の教科書では、オオカミが侵入できない牧場で過剰放牧すると、牛や羊が牧草を食べ尽くしてしまう事例で説明される現象である。
 すでにアオコの集積は、7月上旬に土浦港で確認された。23日では新川河口だけでなく、沖宿沖の水面のスジ7模様で視認された。さらに、牛渡沖、湖心、江戸崎入、天王崎沖、高浜入で、水色が茶緑となり、アオコが発生していた。8月にかけて、さらにアオコ発生が進行することが懸念された。透明度は、今回は湖心で1mを保っていたが、他地点は60cm程度だった。
 湖水のCODは、高浜入で7台、土浦入りで6台と高くなってきた。水面では夏恒例のボラのジャンプが観察された。ハクレン死体も散見された。今後アオコが大発生すれば、酸欠によって、ハクレンだけでなく、エビやハゼ類(ゴロ)への影響が懸念される。すでに30年以上前から、霞ヶ浦の二枚貝類はじめベントス(底生生物)相は壊滅に近い。アカムシが少ないので、成虫のワカサギムシ(ユスリカ類)の蚊柱も激減している。影響は、ユスリカを餌にして繁殖するオオヨシキリのコロニーにも及んでいる。
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 この湖水観測活動は、市民が作る「霞ヶ浦水質調査研究会」による自主的な調査ですが、公益的な意義が大きいものです。しかし財源不足の中で、個人の負担が大きくなっています。応援してくださる方を募っています。
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ふれあいランド桟橋
高須崎公園 虹の塔と大橋
船首は特等席
霞ヶ浦水質調査研究会