3年ほど前のように一泊二日の観測は出来ないので、今回は土浦港から逆水門まで一日で直行、往復となった。やむを得ず、江戸崎入、高浜入、北浦、佐原方面は欠測とした。朝方は雲が上空を覆っていたが、次第に晴れ間が広がった。筑波山はじめ沿岸の目印がよく眺められた。湖面にはカモ類が集結し、時おり落ち着きなく飛び立ち、北帰行に備えているようだった。
今回、常陸川水門(逆水門)の閘門を通過し、下流側で観測を実施できた。2月は春の農業用水取水期に備え、逆水門を閉めて水位を上げ始める時期で、この日は霞ヶ浦側でYP1.20mだった。流域に降雨があれば、管理者である国交省がYP1.30m(平水位YP.1.1m)まで水位を上げる。今冬は記録的少雨のため、水位が上がりにくいようだ。渇水で水位が下がる山上のダム湖との違いである。
逆水門下流約500mの位置で採水した。電気伝導度、塩化物イオン濃度ともにかなり高く、潮水の味がした。この地点は透明度(1.2m)が高く、プランクトン類は皆無に近かった。利根河口堰も閉まっていた。逆水門上流地点では透明度が0.65mと低い。下流で塩分濃度上昇による凝集沈殿、プランクトン死滅が生じているようだ。冬期は逆水門の閉鎖時間が長く、上流と下流で、かなり水質やプランクトン相に違いがあることが裏付けられた。逆水門付近ではウミウの大群が集結していた。淡水と海水の境目で、餌の魚類が豊富なのであろう。閘門内では閉じ込められたボラの死体が浮いていた。
帰路の外浪逆浦では波が高く、観測作業が困難なため、欠測とした。常陸川でも波が高かったが、西浦では穏やかな湖面に戻っていた。西浦湖水では、2月時期としては、ワムシ類、ミジンコ類の動物プランクトン類が多かった。ワカサギによる捕食圧が少ないためと考えられる。水温がまだ低いにもかかわらず、珪藻類の春のブルーム(増殖)が始まっていた。日照時間が伸びて光合成が盛んになってきた。今回は逆水門通過時などで、会員の海野隆さん(阿見町)、水原和行さん(つくば市)が貴重な写真を撮影、提供されたので、数値データ類と併せてご覧ください。また、当会と諏訪湖クラブの会員である井上祥一郎さんが、名古屋市から参加された。
(ネット検索:「霞ヶ浦水質調査研究会」体験乗船歓迎、会員募集中、問い合わせ:090-6154-0137)
|