『 がいあ 』 ニュースと航海日誌  『 2003年10月 』
 
2003年10月26日(日) 。.赤茶白濁・赤潮のプランクトンの種解明
本日、(社)霞ヶ浦市民協会の沼澤主研より連絡を頂き、ここ数年霞ヶ浦で多く発生して
いるプランクトンの種類が、珪藻
『スケレトネーマ・ポタモス』であるという事が判明
したということであった。この情報はつくば市の実験植物園での同定の結果であるとい
う。ここ4〜5年続いていた茶白濁の原因との因果関係を明らかにされたものではない
が『スケレトネーマ』は珪藻類で海域にしばしば植物性赤潮を引き起こすものである。
瀬戸内海各所、特に宇和海域、また九州の有明海の各水域では頻繁に見られ、時に海苔
養殖に影響を及ぼすことがあると言われるが、魚類には影響がないとされている。海水
域の内湾で発生する『スケレトネーマ』珪藻赤潮は『スケレトネマ・コスタツム』とい
う種である。ここ4〜5年続いている霞ヶ浦の白濁と、気温が上がってきた春から初夏
期に、土浦港付近で、水が真っ黒(超濃こげ茶色)になる現象が起きており、自分は、
今まで国交省水質 110番や県にも報告したことがあるが原因は不明であると言われただ
けであった。同じようなこげ茶色の赤潮は、水温が23℃を超えた夏季の東京湾のほとん
どの水域でも当たり前に見られる。東京湾の赤潮も、今回の霞ヶ浦で水が赤茶白濁や、
初夏に土浦港付近で、水がこげ茶色になる現象もスケレトネーマ珪藻赤潮であると思わ
れる。今まで各機関が霞ヶ浦での珪藻類の優占種は『メロシラ』であると発表されてき
たが、ここ数年、それらの多くは、実は『スケレトネーマ』であったと思われる。そし
て、霞ヶ浦の赤茶白濁及び初夏の土浦港周辺の黒化現象の原因が『スケレトネーマ・ポ
タモス』起因の珪藻赤潮で判断して良かろうと考えられる。『ポタモス』とは悪魔を意
味し、特に欧米では水の悪魔、『水魔』を意味する不吉な名称である。
<注意>『スケ
レトネーマ』は、カタカナでは『スケレトネマ』と表記される場合もある。
 
2003年10月24日(金) 船長1名、ゲスト2名
地点名 天候:晴。   風向風速:西2〜東5m。   気温19〜15℃
 
  16:30 土浦港京成マリーナ 出航、徐行。
16:40 18:00 川尻沖 徐行。
18:20 土浦港京成マリーナ 中途徐行。走航距離7浬
知人からの依頼で、夕景観賞のために出航。日が落ちると既に非常に冷え込む季節にな
った。本日の空気は比較的澄んでおり、日光連山、西方の山々、富士山も展望できた。
土浦上空に傘雲様な奇妙な雲がかかり、夕焼けと反対方向の東の空が、異な赤焼け色を
呈していた。
 
 
 
 
2003年10月20日(月) 船長1名、調査員3名
地点名 天候:晴後曇。  風向風速:北東4〜7m。  気温15〜18℃
 
09:10 09:40 土浦港京成マリーナ 軽油200リットル(県税事務所許可油)を給油
10:15 土浦港京成マリーナ 科技庁様水質調査のため出航。港内徐行。
10:45 11:10 三又心 採水。時化で中途徐行。
11:40 12:10 麻生−和田沖 採水時化のため、西蓮寺港沖より行方岸に沿って航行。
12:50 13:20 高浜入心 採水
13:45 土浦港京成マリーナ 着船後各荷揚等、食事。走航距離41浬
本日、調査船『がいあU世』に軽油200リットル(県税事務所許可油)を給油した。
本日も相変わらず酷い茶白濁で、湖心付近から麻生・和田沖にかけては赤みを増してお
り酷い状態であった。高浜入も茶白濁が著しかった。画像参照。北東の風で時化ていた
 

西蓮寺の水
 
200310月17日(金) 船長1名、調査員2名、ゲスト2名
地点名 天候:晴後曇。  風向風速:北東5〜9m。  気温15〜17℃
 
  09:45 土浦港京成マリーナ 定期水質調査のため出航。港内徐行。
09:50 10:05 沖宿−防衛技研 採水、pH、EC、透明度、プランクトン採取。
10:10 10:25 牛渡−大須賀 採水、pH、EC、透明度、プランクトン採取
10:40 10:55 高浜入心 採水、pH、EC、透明度、プランクトン採取。
11:00 11:15 麻生−和田沖 採水、pH、EC、透明度、プランクトン採取
11:20 11:35 三又心 採水、pH、EC、透明度、プランクトン採取。
11:45 12:00 江戸崎入心 採水、pH、EC、透明度、プランクトン採取。
12:30 14:00 土浦港京成マリーナ 着船後各荷揚等、食事。走航距離42浬
本日は多くの採水ポイントでイサザアミを確認出来た。霞ヶ浦は全体的に赤茶白濁に酷
く濁り透明度の全体平均は観測史上最悪で、平均60cm程度であった。しかも、三又心で
も水の色は同系で、三又心では陸水による影響が少ないことを考慮しても、前回の降雨
による単純なケイ酸塩(泥水)の流入は考えられず、プランクトンに起因していること
考えて良いと思う。瞬間10m近い強風で、ひどい時化で南岸は波高1mにも達するとこ
ろもあったが、水深から考えても、三又心、あるいは北東の水送風による高波が生じな
い高浜入心がやはり強茶白濁であった状況からすれば、底泥の巻上げは考慮する必要は
全くないと思われる。事実、10年前、風速10m以上の北西風の中、湖心付近に居たこと
があるが、水の色は淡緑を呈していた。現在異常な状態である。超高負荷型赤潮の到来
であろうか。茶白濁は4〜5年続いており、各観測機関で関連するる従事者が見ているに
も係わらず、原因をつきとめるに至ってないことを情けなく思う。実際、この状況を見
ている人々は、人口からするとごく少数であり、住民が騒ぎ立てる状況には未だ至って
いない。あるいは以前の知識がないため、当たり前と思っているのか、指導者的立場の
霞ヶ浦に関連した国、県等の行政機関の関係役人の無知さを垣間見られる非常に不愉快
な状況である。また各種市民団体も、小さな尺度でものを測らないで、(公民館等で行
政や他団体叩きなどしている暇があるのなら)もっと現状を把握して下さい。現在既に
激減したブラックバスを未だターゲットにした、時代錯誤はなはだしい外来魚シンポジ
ウムを開くなら、今最も増えているチャネルキャットを見なさい。うわべの物事を語り
間違った話を語る以前に、釣師がどんな魚を釣っているか、あるいは自分で釣りに行く
など、宗教や思想ではないのですから現状を科学的に考察して下さい。そんな事言って
も無駄でしょうけど!?藁藁
 
2003年10月04日(土) 船長1名、ゲスト8名
地点名 天候:晴。    風向風速:東3〜4m。    気温27〜26℃
 
  11:30 土浦港京成マリーナ 出航、徐行。
12:00 13:00 桜川匂橋 花火観賞
13:05 13:30 大岩田沖 花火観賞
14:50 土浦港京成マリーナ 中途徐行。走航距離5浬
知人からの依頼で、花火観賞のため出航した。桜川は浅瀬が多く、スタンドライブを上
げて徐行した。比較的風があり、アンカリングしないと停船できないため、やがて大岩
田沖まで移動し停泊、観賞した。土浦の花火は翌年の業者相場が決定する競技大会で、
七十余年の歴史を持つ。途中、数分間途絶えることのない数百もの連発花火は驚きで、
土浦全国花火競技大会のプライドを感じさせられるものであった。昨年の花火の人手は
70万人カウントされたが、今年も非常に華やいだ一夜だった。