2023年4月27日(木) |
船長(代行)・船員2名、調査員1名、会員6名 |
<文:沼澤主任研究員>
「春に三日の晴れなし」の天気俚言どおりの天候で、延期続きの観測をようやく実施できた。前線が通過し、前日までの雨が止み、日本列島を高気圧が覆いはじめ、朝から快晴。筑波山がくっきり見える中を出港。風もなく順調に西浦6か所の定点を廻り、現場で観測した。電気伝導度、塩化物イオン濃度、pHがやや高かった。湖水は各地で茶濁、透明度は60cm程度だった。
採水サンプルを持ち帰り、化学分析すると、COD、無機態の各窒素、リンは、今の時期としては特に高い地点はなかった。植物プランクトンでは、ハリケイソウ類、タルケイソウ類が優占していた。今年は早春に気温が高い晴天の日が多く、桜開花も早かったので、4月下旬では、春のブルーム(植物プランクトンの増殖)は終わりかけている印象だった。動物プランクトンが各地でほぼ皆無だったことが気になり、翌日、土浦港で、プランクトンネットで調査したところ、イサザアミ大発生が確認された。沖合の定点湖底でも、イサザアミの発生が推定された。この大型動物プランクトンが他の小型プランクトン(ワムシ類、ミジンコ類)を捕食したと考えられる。今後は、プランクトン相や水質へのイサザアミ発生の影響が気になる。電気伝導度や塩化物イオン濃度がやや高いことが、イサザアミ増殖を招いた可能性がある。
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