2023年9月25日(月) |
船長(代行)・船員2名、調査員1名、会員6名 |
<文:沼澤主任研究員>
例年8月に一泊二日で実施していた逆水門方向観測は、今回、天候とスタッフの都合により9月下旬に単日で実施した。7月、8月は記録的な猛暑となり、水温も高かった。9月下旬には水温は低下していたが、夏の高水温の影響が水質やプランクトン相に残っているかが観測のポイントとなった。コースは土浦港から逆水門まで直行となり、高浜入、江戸崎入、北浦心、佐原沖は欠測となった。
透明度は60(沖宿沖)~100cm(湖心)程度だった。水色は白濁はなかったものの茶濁の地点が多かった。動物プランクトンのケンミジンコ、オナガミジンコ、ゾウミジンコが優占していた。捕食者であるワカサギが少ないためかもしれない。植物プランクトンではフォルミディウム、アファノカプサなど藍藻類が多かった。湖面のアオコは今回のコースでは観察されなかったが、茨城県による8月のアオコ調査では、北浦と高浜入でアオコ度2(5段階評価)が記録されている。
水質では、COD値は各定点で6mg/L前後だった。無機態の窒素やリン濃度も特に高くはなかったが、北浦との合流点である外浪逆浦ではやや高かった。電気伝導度、塩化物イオン濃度は、逆水門上でやや高く、逆水門下では、利根川の河川水の影響で低下していた。例年夏期は雨量が多いため、利根川、霞ヶ浦の淡水が逆水門下流まで押し出していることが多い。
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