2025年5月29日(木) |
船長(代行)・船員2名、調査員2名、会員2名 |
<文:沼澤主任研究員>
4月に予定していた観測は、調査船のエンジン修理のため、欠測となった。
今回の観測日は梅雨入り前だが、10日ほど曇りが続く天候の中で実施した。水温は20℃を少し上まわり、例年なみ。透明度は例年よりやや高く、各地点で100cm前後。特に牛渡沖では、120cmを記録した。無機態窒素、無機態リン、CODは、特異的な値ではなく、やや低めだった。
動物プランクトンでは、昨年に続き、各地点でカブトミジンコが発生していた。ワムシ類は少なく、ケンミジンコとノープリウス幼生がやや多い印象だった。植物プランクトンは、この季節としては少なく、透明度がやや高くなっている。今回、透明度が高い牛渡沖及び三又湖心で、植物プランクトンが少なく、カブトミジンコが多かったことは、カブトミジンコによる捕食圧が高いために、植物プランクトンが少なく、透明度が上昇したと考えられる。
昨年は、初夏にカブトミジンコが発生し、透明度が上昇、盛夏のアオコ発生を招いたが、今年も同様の状況になりつつあるようだ。ワカサギの現存量が少なく、カブトミジンコへの捕食圧が低いため、カブトミジンコが植物プランクトンを食べて透明度が上がり、アオコの増殖を引き起こすメカニズムが、今夏も繰り返される可能性が高い。今後のアオコ発生状況、7月21日のワカサギ漁解禁時の漁況、そして水温変化を注目したい。
(ネット検索:「霞ヶ浦水質調査研究会」体験乗船歓迎、会員募集中、問い合わせ:090-6154-0137)
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