『 がいあ 』 ニュースと航海日誌  『 2025年9月 』
2025年9月8日(月) 船長(代行)・船員2名、調査員2名、会員2名
<文:沼澤主任研究員>
 レンタルボートの日程調整の関係で、今回の逆水門方向観測は9月に実施した。逆水門直行コースを取り、江戸崎入、高浜入は欠測した。また、逆水門の放流で流れが強く、小型ボートでは危険なため、船長判断で閘門通過を回避し、逆水門下地点は欠測した。
 今夏の異常な連続猛暑の影響が残り、各地点の水温は30℃前後だった。高水温の影響が水質やプランクトン相に現れているかが今回観測のポイントになった。動物プランクトンが各地点で異常に多く、逆に植物プランクトンが少なかった。ミクロキスチスはプランクトンネットには入ったが、湖面では肉眼的には観察されなかった。特に多いゾウミジンコ、オナガミジンコ等のミジンコ類が藍藻類以外の珪藻類、緑藻類を食べつくしたようだ。藍藻類が残ったためか、透明度は上がらなかった。
 水質ではアンモニア態窒素濃度が異常に高く、動物プランクトンの排泄物由来の可能性がある。 動物プランクトンが多い原因の一つは、捕食者であるワカサギが皆無に近いことであろう。
 水面では、各地でボラのジャンプが見られ、夏期の雰囲気が残っていた。今夏は、異常猛暑が続いたが、アオコ発生は懸念されたほどではなく、7~8月に、土浦港で観察されたが、昨年よりも少なく、土浦市内の新川や備前川河口水面では、目視でほとんど見られなかった。

(ネット検索:「霞ヶ浦水質調査研究会」体験乗船歓迎、会員募集中、問い合わせ:090-6154-0137)

JR鉄橋(潮来) 撮影:沼澤主任研究員
荻原の閘門 撮影:沼澤主任研究員
霞ヶ浦河川事務所 撮影:沼澤主任研究員
鹿島コンビナート 撮影:沼澤主任研究員
鹿島セントラルホテル 撮影:沼澤主任研究員
水郷北斎公園(牛堀) 撮影:沼澤主任研究員
動物プランクトン採取 撮影:沼澤主任研究員
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